研究の概要
水災害のメカニズム解明と被害拡大要因の解明
豪雨災害,インドネシア・ジャカルタ洪水やフィリピンのスーパー台風ハイエン等の被災メカニズムや被害拡大要因を明らかにするため,現地調査や数値解析に取り組んでいます.
これにより,減災を達成するために必要なリスク評価や事前の備え,災害時に必要な対応等を提案しています.
写真は現地調査時に撮影した被災状況です.
洪水リスクの明示と新しいハザードマップの提案
洪水計算,氾濫解析より河川堤防や氾濫域のリスクを算定しています.これらリスクの見える化を通じて,新しいハザードマップの提案や避難促進につなげます.また,リアルタイム洪水ハザードマップの開発にも取り組んでいます.
流域治水オプションや地球温暖化への適応・緩和策の提案
地球温暖化が富山県河川の洪水に与える影響を評価しています。以下の図は、将来気候での富山県河川の堤防侵食ポテンシャルです。このような将来の洪水リスクに適応するため、様々な適応策や流域治水オプションを提案しています。今後の脱炭素社会の達成に向けて緩和効果(CO2の排出を低下させる)をも有する対策(例えば、河川の植生伐採・有効利用など)を提案していきます。
想定外を想定する
物理的に起こり得る最悪クラスの水害である可能最大洪水や可能最大津波の事前想定に取り組んでいます.
これにより,想定外と言い訳するのではなく,しっかりと事前に最悪シナリオを想定し,そこから減災していくためにどのような対応が必要かの議論が可能になります.
図は算定した可能最大洪水氾濫の一例です.
富山湾における可能最大津波の想定
津波数値計算モデルを使用することで,富山湾の津波を計算しています.
今後様々な条件で計算を行うことで富山湾における可能最大津波を想定し,想定外の水災害に事前に備えるための対策を検討していきます.
動画は富山湾で実施した仮想津波シミュレーションの結果です.
沿岸域水防災に関する研究
インドネシア・ジャカルタ沿岸部の水害リスク評価に取り組んでいます.
沿岸部は地盤沈下・海水面の上昇等の影響により水害リスクの増加が今後懸念されています.
動画はジャカルタで算定した浸水域の一例です.
領域気象・洪水氾濫統合モデルの開発・適用
純然たる物理過程に基づく領域気象・洪水氾濫統合モデルの開発・適用を行っています.
領域気象モデルを用いて降水を計算することで,全世界どこにでも普遍的に洪水再現・予測が可能になります.
動画は洪水氾濫計算結果の一例です.